「仕入れ営業がうまくいくコツはあるのだろうか?」
不動産仲介において、仕入れ営業はハードルを高く捉えてしまいます。仕入れ営業は、難易度は高く、自社の都合では買えないのがほとんどです。不動産ビジネスで成果を出すには、仕入れ営業をコンスタントにこなしていく必要があるでしょう。
本記事では、一括査定や広告にたよらない、不動産の仕入れ営業の3つのコツについて解説します。物件を仕入れるため、コツとなる情報収集している経営者は、役立ててみてください。
不動産ビジネスにおける仕入れ営業の現状

不動産の仕入れは、購入時期や物件の質も思ったようにいきません。物件の理想を追いかけすぎれば、ほかの業者に先を越されることもあるでしょう。一括査定のできるポータルサイトによる仕入れだけにたよると、「自社にとって都合のよい物件」は、「他社にとっても都合のよい物件」になるからです。
物件を自社の都合通りに仕入れられない、原因があります。
- 自社にとって都合のよい物件=安く仕入れられて高く売れる物件
- 地主にとって都合のよい不動産仲介業者=売りたいときに高く買ってくれる業者
この2つの願望は、永久につながることはありません。情報入手がカンタンな現代において、地主もポータルサイトに登録して、物件の相場をチェック可能です。ただし一括査定のサイト利用には、限界があります。
不動産ビジネスにおける仕入れ営業3つのコツ

不動産ビジネスの仕入れでは、競合との価格競争に勝つために、取引に付加価値をつけることが大事です。売値だけではなく、地主から「この人から買いたい」と思われる仕入れ営業のコツを3つ紹介しましょう。
ポータルサイトを主戦場にしないでデータ収集のために活用する

不動産の仕入れは、利便性の高さから、一括査定のできるポータルサイトで物件を探すことに集中しがちです。しかしポータルサイトを物件の仕入れ営業の主戦場にしないことが重要になります。その理由は、利便性の高いポータルサイトでは、競合との価格競争になり自社に都合のよい仕入れにならないからです。
一括査定サイトの利用は、データベースから収集したデータをポータルサイト以外の営業活動で活かしましょう。一括査定の相場はおさえておき、物件の仕入れは、SNSや自社メディアなど、「独自性」のアピールができる場を使います。一括査定のポータルサイトは、データ収集のために活用して、タッチポイントを分けることが大事です。
一見、カンタン便利で多くの地主が物件登録するポータルサイトも、物件の仕入れ目的の競合との価格競争になります。たとえ勝ったとしても、利益率の低い仕入れとなるでしょう。
不動産の仕入れ情報獲得について、こちらの記事でも紹介しています。参考にしてください。
不動産の仕入れ情報獲得!収益物件を手に入れる6つの戦略
競合の群がる物件を別の切り口を使ったターゲティングで独自性を訴求

物件の仕入れは、Webによる拡散効果を使います。ポータルサイトで得たデータにより地域や物件のしぼり込みが大事です。対象が「空き家」の場合、地主がかかえる悩みを深堀りして、すべてストックしておきます。日頃から、当たりをつけた営業活動が大事です。
空き家を所有する地主のかかえる悩みや課題などを「キーワード」として、徹底的に収集します。同じ属性のターゲット層に、的確なタイミングでターゲットの内側に入り込むための施策です。具体的には、次のような取り組みになります。
- ターゲットとする物件のしぼり込み
- Webのあらゆる空き家データベースから立地需要と加味して物件を選ぶ
- 直接、物件エリアに足を運び周辺の生の情報を収集する
- 相続直後の現金化をもくろむ所有者などを謄本により探り出す
空き家の所有者が現在、どのような問題をかかえていて、空き家状態にしているのか?に焦点をあてたリサーチです。たとえば、空き家を解体する費用がない場合や、生活圏として不便で買い手がいない場合などがあげられます。
または、登記簿謄本から相続した直後の相続共有状態の所有者などを謄本から見つけ出すことも大事です。Webの相続登記サービスなどを活用して、相続データを入手する方法もあります。相続共有状態の空き家は、相続直後に「現金化するため売りたい」と思っている所有者が少なくないからです。
このような流れを継続して行っていくことにより、ターゲットに響く訴求ができます。物件仕入れの反響獲得には、ターゲットに絞りこみが必要になるでしょう。
ターゲット層の見込み客データ管理は、ツール活用が効率的です。こちらの記事をお役立てください。
【完全版】業務効率化を進める上で絶対にオススメしたい不動産DXサービス5選
営業トークは「聞き役」に徹する「インタビュー形式」を軸にトークスクリプトを作成する

ターゲット設定にあてはまる属性の空き家所有者がいたとしても、最初から商談を成功させることばかり考えていては、足元すくわれる結果になるかもしれません。空き家所有者が、「売りたくなる」タイミングを狙うことが重要になります。
「売りたくなる」タイミングを見極めるためには、商談において、インタビュー形式の営業トークが大事です。不動産会社の都合ではなく、所有者の都合を優先した商談の中で、徹底的に「聞き役」になって「空き家を所有するターゲット層の内面」を引きだします。
つまり、1件目や2件で仕入れ営業を成功させようと考えず、次の見込み客に活用する「トークスクリプト」作成の素材集めという認識で取り組みましょう。
物件の仕入れ営業に役立つ方法を紹介している記事があります。参考にしてみてください。
不動産ビジネスの最上流工程「仕入れ営業の方法」
まとめ
今回紹介した不動産ビジネスにおける仕入れ営業のコツは、次の3点になります。
- 一括査定サイトは、相場など情報収集を目的として活用する
- 物件のしぼり込みにより、ターゲットの内面に焦点をあてて営業展開する
- 商談では、ターゲットの思考をデータ化してに二次利用を目的とする
解説した不動産の仕入れ営業のコツをもとに、PDCAを回していくうちに、見込みが「この人に売りたい」
と思えるトークスクリプトが完成することでしょう。
不動産の情報収集などは、手動ではなくツールを活用した自動化がおススメです。こちらの記事が参考になるでしょう。
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